アメリカの漫画界で最も権威ある「アイズナー賞」の2025年ノミネート作品が発表されました。
<https://aiptcomics.com/2025/05/15/2025-eisner-award-nominees-announced/>
今年も多くの注目作が選出されており、日本の漫画としては平沢ゆうな氏の『僕が私になるために』がBest Digital Comic部門にノミネートされました。
この作品は、性同一性障害(GID)を抱える作者自身が、男性から女性へと移行する過程を描いた実録エッセイです。主人公・平沢ゆうなは、身体的にも法律的にも女性になるために、タイで性別適合手術(SRS)を受ける決意をします。その道のりは想像以上に困難であり、手術の痛みや社会的な偏見、戸籍変更の手続きなど、リアルな体験が赤裸々に描かれています。
本作は、2016年に講談社の「モーニング」誌で連載され、同年6月に単行本として刊行されました。2024年には、英語版『My Journey to Her』としてKodansha USAからデジタルリリースされ、海外でも注目を集めています。
アイズナー賞でのノミネートは、トランスジェンダーの経験を描いた作品が国際的に評価されている証であり、多様性と包摂性を重視する現代の漫画業界の動向を反映しています。
このような作品が広く読まれることで、性の多様性への理解が深まり、社会全体の共感と支援が促進されることが期待されます。